2012年10月28日日曜日

森崎東「時代屋の女房」


大井町線のガード下の商店街で夏目雅子が魚を買う。残念ながら今はもうない。近々再開発されるらしいのだ。なかにし礼が九段に通っていた下神明から大井町へ向かう商店街だ。大坂四郎演じるクリーニング店は今でも横須賀線沿いにある。時代屋のなくなった今となっては貴重な風景だ。

2012年3月14日水曜日

佐藤武「チョコレートと兵隊」

神保町シアターで古い映画を観た。
佐藤武監督「チョコレートと兵隊」、1938年製作の東宝映画である。藤原釜足と沢村貞子が夫婦役。夫の勤める印刷所の娘が高峰秀子だ。昭和13年ということは高峰秀子が東宝に移籍して直後くらいの作品か。
この映画、実は近年アメリカでフィルムが発見されたという。アメリカが日本人の国民性の研究のため没収していたためともいわれている。国立近代美術館フィルムセンターに保管されているが、滅多なことでは上映の機会がないため、昨夜神保町シアターに出向いたというわけだ。
題名のチョコレートは明治チョコレートで、今でいうタイアップということか。質朴な地方の生活と戦意高揚と呼ぶにはややのどかな戦場シーンとが交錯する映画であるが、宣伝効果は抜群だったと思う。明治製菓に限らず、昭和の戦争時代、企業という企業はあまねく国策企業だったのだ。
ロケ地は北関東の渡良瀬川付近ではないかと思う。冒頭釣りを楽しむ親子のバックに鉄橋が見える。この風景は今どうなっているのか。

2012年2月14日火曜日

オリビエ・ダアン「エディット・ピアフ愛の賛歌」


劇場でも観、テレビでもいちど観ている。今回BSプレミアムで観るのは3回目。何回観てもいいね。マリオン・コティヤールがいい。

2012年1月25日水曜日

小石栄一「流れる星は生きている」


小説家新田次郎の妻、そして数学者藤原正彦の母藤原ていの原作は終戦後中国大陸からの引き揚げの記録だ。阿佐ヶ谷ラピュタで上映されると聞いて駆けつけた。主演は三益愛子。原作では引き揚げの苦労や悲惨さが強調されているが、映画では引き揚げ後の暮らし、そして夫の帰還までが描かれている。原作と映画には多少のズレはあるが、いずれも壮大な人間ドラマであることに違いはない。